クロスバイクやロードバイク初心者がまず遭遇するであろうトラブルといえばお尻の痛みです。スポーツバイクに慣れて、乗れる距離が長くなってくると発生しやすいトラブルです。
意気揚々と走りだしたのに、数時間後にはお尻が痛くなってライドどころじゃない!というのは、誰もが経験する通過儀礼と言えるのではないでしょうか。
何故、スポーツバイクはお尻が痛くなるのでしょう?
答えはサドル形状と乗車姿勢にあります。
スポーツバイクのサドルにはママチャリのようなクッション性がありません。またサドルの位置がママチャリより高く乗車姿勢が前傾気味になり、お尻の肉の薄い部分がサドルに接触して痛くなりやすいのです。
この記事では筆者が考えるお尻の痛み対策として5つの方法を紹介します
5つの対策
ツールドフランスに出場するトップ選手でもお尻の痛みでリタイヤすることがあるように、お尻を酷使すると痛みは避けられません。
これから紹介する内容は、ライド中いかにお尻のライフを温存していくかという視点からの対策です。
体重を分散させて乗る
サドルにどかっと座るママチャリと違い、スポーツバイクは基本的にサドル、ペダル、ハンドルの3点で体重を分散させるのが正しい乗り方です。これを理解していないと、いくらクッション性の高いサドルに交換してもやがてお尻は痛くなります。
自分はペダル5割、ハンドル2割、サドル3割くらいのイメージで体重を分散しています。3点分散することで自然とスポーツバイクの前傾姿勢をとることができます。
・ペダルに体重を乗せる
ペダルに体重を乗せるっていまいちわからんぞ
ペダルに体重を乗せる=ペダルを漕ぎ続けるということです。ただ漕ぐのではなく、左右のペダルにテンポよく体重を移動させるようなイメージで乗ると効果的です。
初心者の方は漕ぎ続けることに慣れてないので、はじめのうちは難しく感じるかもしれませんが、スポーツバイクの基本なので徐々に感覚をつかんでいきましょう。
・ハンドルに体重を乗せる
前傾姿勢をとると、自然にハンドルに体重がかかります。あまり意識すると腕が痛くなるし、自転車のコントロールもしづらいので、あくまで前傾を支えるようなイメージがいいと思います。
・サドルで支える
サドルには座るのではなく、体を支えるようなイメージで乗るといいと思います。
とは言っても初めは前傾姿勢を維持するのは大変だと思うので、慣れるまでは適度にサドルに座ってお尻以外を休めるのも大切です。
ダンシングを交える
スポーツバイク界では立ちこぎをダンシングといいます。
かっこいい!
ダンシングは優れもので、使用中はお尻への負荷が0となります。適度にダンシングすることでお尻のライフを回復しましょう。
ダンシングが有効なシチュエーションは、短いけど急な坂です。自転車のスピードを落とさずに一気に駆け抜けることで、結果的に楽に走れます。
しかし、使いすぎると脚にダメージが蓄積します。よく自転車レースで脚を使うとか、脚が残ってないという表現を使うのですが、この状態になるとペダルを漕ぐのが本当にしんどくなります。
なにごともバランスが重要です。適度にダンシングを織り交ぜましょう。
段差で体重を抜く
段差を乗り越えるとき、そのまま突っ込んでしまうと、衝撃がダイレクトにお尻へ伝わってしまいます。ときにはお尻じゃなくて〇〇のほうに衝撃が伝わり悶絶することも・・
経験アリ
ママチャリのようにサドルに衝撃吸収用のスプリングがついていないスポーツバイクでは、段差を乗り越えるときはしっかりケアする必要があります。
方法は簡単で段差を乗り越える瞬間、お尻を少し浮かせればOKです。
完全に浮かせなくても、体重を少し抜くだけでOKです。乗車時の重心はリアタイヤよりになっているので、特にリアタイヤが段差を乗り越えるときはサドルから体重が抜けているように意識しましょう。
体重抜きを意識することでリム打ちパンクも予防できます。
サドル高を調整する
サドル高が合っていないとお尻の痛みが発生しやすいです。また、膝のトラブルにも発展することも。
スポーツ自転車のサドル高は自転車に乗った状態で合わせます。ペダル下支点でひざが少し曲がるくらいが適切です。
初めはそこまでしっかり合わせる必要はありませんが、サドル高があまりに低すぎると、体重を分散させる乗り方が難しくなるので、一度確認しましょう。
ちなみに、私は通勤で使うクロスバイクのサドル高はロードバイクより1~2cmくらい下げて、前傾をゆるくして乗っています。これくらいなら低すぎるとういことはないので安心してください。
とにかく乗る!
いろいろ対策を書いてきましたが、実は一番有効なのは距離を乗ることです。
はじめのうちは乗れば乗るほどライドに必要な筋肉がつき、乗車姿勢の維持が楽になります。適切な乗車姿勢が維持できればお尻のダメージ蓄積を軽減できるようになります。
私もはじめはお尻が痛くて、いろいろ試行錯誤しましたが、距離を乗っているうちに徐々に痛みが出づらくなってきました。今では50kmくらいなら、普段着でも余裕です。面の皮ならぬ、尻の皮の厚さは人並み以上だと自負しています(?)。
最後に
今回、あえてサドル交換やパッド付パンツ(いわゆるレーパン)を勧めませんでした。
その理由は、スポーツバイクの乗り方をわかってない状態でサドル交換しても、効果が薄いと考えたからです。サドル沼という言葉があるように、最終的には自分に合ったサドルを探すことは重要だと思います。ただ、数十キロのライドであれば、乗り方でカバーできると考えています。
同様にレーパンも本格的にロードバイクに乗り始めたら必須(ロード用サドルはレーパンをはく前提の設計になっている)ですが、クロスバイク初心者には必要ないかなと思います。まずはスポーツバイクの乗り方をマスターしましょう。それにレーパンって結構高いですしね・・。
以上が、スポーツバイクでお尻が痛いときの対策でした。
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